済州島墓参り 2010年4月13日 夫赶寛

オモニと済州島 最後の墓参りに行って来ました。

初めての墓参りから早長い年月が流れ
その間アボジの死、弟の死、おじさん、おばさんの死・・・。
かけがえのない人達がこの世を去っていきました。

不思議なもので、若い頃から病気がちの(病院で昔から長生きできないと言われていた。)オモニが自分より若い人達を見送るという事を何度も経験し、その都度、オモニは吐きすてるように1日も早く私をつれていって欲しいと悲しみの淵から深く強く嘆いていました。

そのオモニが「私はもう体も弱くなり足も動かない。」「年を取りすぎたから」「最後にもう1度故郷済州島に墓参りをしたい」と僕に言うので、あー今回が本当に最後の墓参りになるなと、複雑な思いで済州島行きを準備する。
思い起こせば初めて行った墓参りはアボジもオモニもまだ若く(もちろん僕も若い)明日があった。
飛行機の窓からハンラサンが見えた時、常に気丈なオモニが泣いていたのを今だに忘れられない。

済州島墓参り
オモニにとってはおそらく最後の墓参りになるであろうその日はあっという間におとずれ、そしてオモニはおぼつかない足で済州島の大地を踏みしめる。
済州島の墓は日本のように一ケ所にある訳ではなく、あらゆる所にあるのでオモニにとってそれはとてもきびしいのですが、土に眠る、先祖一人々々に真心こめて真剣にお参りするオモニの姿に我が親ながら頭下がる思いにいつもながらなります。
こうして済州島の空と風と大地に守られながら土盛りの土葬の中で僕達の墓参りを喜んでくれる御先祖様との再会は言葉では言い尽くせない大きな幸せ。

オモニとみんなと墓参りできた事に生命をこめて心より感謝します。